USJに情報保障をつける会 報告

去る2011年12月17日に、
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(以下USJ)に情報保障をつける会
が行われました。



本会をたちあげたきっかけは、同年秋に行われた「WITH2011 Dream project」にて
2日目に夢を叶えるツアーがあり、行先の一つにUSJがありました。
そこでUSJの数個のアトラクションに情報保障をつけましたが、
USJグループのメンバーに好評を博し「もう一度行きたい」との声が多かったことで、
WITH実行委員会メンバーのひとりの「次はUSJだけに絞ってやろう!!」の鶴の一声で
急慮本会をたちあげることになりました。

ここからは、当日の様子をスケジュールに沿って報告します。


AM8:30 開会式
できるだけ、多くのアトラクションをまわりたいので
早朝、開場前に集合しました。
参加者は聴覚障害者が約20名、健常者(サポートボランティア)が約10名でした。
サポートボランティアは、手話通訳や文字の指さしなど、
それぞれのアトラクションに適した情報保障をサポートする人のことです。


AM9:00 入場
開会式はつつがなく終わり、3つのグループに分かれて
USJに入りました。まず向かったアトラクションは、
定番のジョーズです。


ジョーズ

本会の情報保障方法はいくつかあり、
手話通訳、台本の指さし、ノートテイク、PCテイク、iPhoneでの字幕表示、ですが、
ジョーズはアトラクションの特性から、前もって用意した台本を使い、
クルーの言動に合わせて台本の内容を指さすという方法を採りました。

★参加者の感想
・文字カードに集中していると、風景が見づらい。
・文字カードを見ながらだったのでジョーズを見逃した場面があったが、
全く何もわからないよりは内容を把握できるので楽しめる。
・セリフは決まっているので、クルーの足元にモニター類があってもいいのでは?


シュレック
シュレックは3D映画なので、ここではiPhoneによる情報保障を行いました。

★参加者の感想
・字幕を焼きつければだれでも楽しむことができる。
4〜5回に一回は字幕上映にして聴覚障害者はその時間に入ってもらうようにすれば。
・他の観客と同じタイミングで笑えて、すごく楽しめた。
・字幕モニターとスクリーン両方見るのは大変。セリフのスピードが速くついていけなかった。


スペースファンタジー
ジェットコースター搭乗前の説明や注意に字幕をつけました。

★参加者の感想
・きこえない人にとってはただの乗り物だが、きこえる人にとっては夢や勇気を
送って動かすストーリーのある乗り物。この差が気になる。
・ジェットコースターに乗っている時の音声も通訳して欲しい。


バックドラフト
本アトラクションはセリフが決まっているため、字幕モニターを使いました。

★参加者の感想
・セリフが多く速いので要約した字幕でもよい。
・以前は説明も分からなかったが、今回は内容がよくわかった。是非文字情報を付けるべき。


ウォーターワールド
本アトラクションでは、手話通訳とPCテイクを利用しました。
この際、手話通訳者が係員に「通路に立たないでほしい」と注意され、
結局座ったまま通訳せざるを得ず見にくく、手話表現も小さくなるというハプニングが起きました。

★参加者の感想
・手話通訳者の席を設けるべき。
・手話は同時性がありわかりやすかった。
・アドリブは手話を、決まったセリフはPCテイクを見ていた。ただ発言者が分からなかった。
・予約制で手話と字幕通訳がUSJで負担できるとよい。


バックトゥザフューチャー
ここでは字幕モニターを利用しました。
ここでも搭乗時に「携帯電話を出さないでほしい」との注意があり、
モラルの面でも改善点が多くあるように思いました。

★参加者の感想
・安全を問題にするなら、字幕モニターを乗り物に固定して欲しい。
・動きが激しくて暗く、情報保障は難しい。


ターミネーター
ここでは前半の「綾小路さん」が喋る場面では手話通訳orノートテイク、
後半では字幕モニターを用いました。

★参加者の感想
・長時間字幕モニターを持つのは疲れる。
・綾小路さんのしゃべくりが内容が分かりすごく面白かった。
・聴覚障害者だけに見える字幕か、3Dの下に出る字幕があればよい。


PM18:30 閉会式
この後はセサミストリート、スパイダーマンなどもまわる予定でしたが、
残念ながら時間がなく、ターミネーターが終わりそのまま閉会式になりました。
この後は有志でLICに戻り、報告会を行いました。


PM20:30 報告会
LICでは報告会参加者メンバーを2グループに分け、
本日の感想や今後どのように動いていくかなどの話し合いを行いました。
その後、グループ毎に報告を行いました。

★参加者の全体の感想
・聴覚のことは、聴覚の意見を聞いてもらうのが一番。どうしたらよいかはUSJに聞いてもらうのがよい。
・字幕モニターは映画や暗い場所、安定している場所に適しているが明るいところや不安定な場所、
時間が長い場所では適していない。特にセリフにタイミングを合わせるのが難しい。
・もっとUSJ側が、障害者のためのサポートをつけて欲しいと思った。
(字幕モニター、スクリーンに字幕、ノートテイク、手話など)
・有意義な取り組みと思う。と同時に、本会でサポート出来る情報保障にも限界がある。
・よりよい情報保障のためには、USJとともに取り組む必要がある。
・iPhone類での情報保障にも、限界はある。モラルの面でも。(特にBTFではほとんど機能していなかった。)
別の方法をまた皆で考えていこう。
・きこえない人の場合、やりたいことから仲間を作るではなく、仲間からやりたいことを見つける人が多い。
だからこういう活動がもっと広がっていくといいなと思った。



★まとめ

本会を通しての収穫は、「こちらから一方的に情報保障を求める」のではなく、
USJに具体的な方法を提示して、「一緒に変えていきましょう」という姿勢を見せていくことが
大事だと言うことが分かりました。

課題はまだまだたくさんありますが、
きこえる人もきこえん人も一緒に楽しめる
真に「ユニバーサル」なUSJにするために
今後もUSJの調査や署名活動などを行っていきます。
次回の「USJに情報保障をつける会」開催日は未定です。。。
ですが、存続していくことは決定していますので、詳細が決まり次第お知らせいたします!
是非、ふるってご参加ください。


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