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メインストリーム通信56号

『国は障害者の声を聞け!』
『私たちの権利と自立生活を保障しろ!』

 障害者自立支援法案の審議が始まった中で、5月12、13日に全国大行動が東京・国会周辺でありました。5月だというのに冬が再び戻ってきたかのような寒い日でしたが、全国から延べ約2000名もが集結しました。また11、13日には衆議院厚生労働委員会の審議の傍聴がありました。

全国大行動の本番は12日でした。14時に厚生労働省前に集合して、国会まで請願デモを行いました。大人数のうえに警備や信号などで立ち止まる事も多く、気抜けしそうになりましたが、『国は障害者の声を聞け!』、『低所得者から負担を取るな!』、『私たちの権利と自立生活を保障しろ!』、『障害者自立支援法案を慎重に審議しろ!』などとシュプレヒコールを挙げながらデモ行進をしました。国会裏の議員面会所前では民主党、社民党、共産党の厚生労働関係の国会議員に請願しました。デモ後、衆参の議員会館前で横一列に並びまとめの集会を行いました。最後に全員がペンライトで国会を照らしました。この光り一つ一つが私たち一人一人の思い、そして声であり、一つの光りは小さいが大きくなることで良い方向への道しるべとなることを切実に願います。

 翌13日は議員会館前で、ビラまきとアピール行動を行いました。怒り、不安、懸念、要望などを各々が声の限りに訴えました。この日は特に大阪勢が大活躍でした。西宮からは中川康男さんが国へ訴えました。なお中川さんはその後も毎週東京に出かけ国会前のアピール行動に参加しています。(自腹)

 大行動と平行して行われた11、13日の傍聴には、メインストリーム協会から総勢17名が参加しました。傍聴するにあたっては金属探知器でチェックされ、荷物は持ち込めませんでした。ちなみにこの委員会の審議は、水曜日と金曜日に行われています。審議の様子はインターネットで見られるので「衆議院TV」で検索してみてください。傍聴席は車椅子であふれかえっていました。私たちの存在感をアピールできたと思います。11日の午後から民主党の石毛議員、園田議員、社民党の阿部議員、共産党の山口議員の質疑と主に尾辻大臣と塩田部長の答弁を傍聴しました。審査会や定率負担(自己負担)に関する質疑が多く見られました。またこの法案は大きな枠組みしか示されておらず、具体的な内容は厚労省の政省令で示されるという点があります。政省令案がどこまで示されるかも大切です。大臣や部長は当事者団体と十分に議論をしてきたと強調していましたが、答弁からはあまり感じることができませんでした。特に大臣の障害者施策の理解度は低いと感じました。部長はうまくかわしながら答弁をしていて、予想はしていましたが私たちの懸念が晴れることはありませんでした。当事者の意見を十分に聞くことなく無理して急いで制度を作っても良いものにはなりません。
 最後に、慎重に審議が進められて、誰もが当たり前に生活できる制度になることを願います。(藤原)



障害者自立支援法に対する5月18日全国一斉行動 兵庫地区報告
一分間スピーチリレー『普通の生活がしたいだけ』

 5月18日、障害者自立支援法に対して全国的に一斉行動が行われました。兵庫県ではHIL(兵庫県自立生活センター協議会)主催で何をやるか検討した結果、一分間スピーチリレーをやることになりました。どこかで聞いた企画ですが、一般の人々に私たち、地域で自立生活を送る障害者の声を一番ストレートに聞いてもらえる方法を選びました。

 少しでも人通りの多い場所ということで神戸・三宮の丸井の前でスピーチとビラ配りをしました。舞台設置はダメ、通行人の邪魔にならないなど幾つかの制約がある中、拡声器を使って、県下から集まった約90人の障害者が熱い思いを語りました。応益負担や専門家による認定審査会など問題点について『私達の生活には介助が必要なのに、その普段の生活にお金を払うのはおかしい』『障害者のことをよく知らない人たちに生活を決められたくない』『贅沢なことを求めているのではなく、ごく当たり前の生活を求めているだけ』など一人一人の思いを熱く語りました。連日テレビでは郵政民営化のことばかりが取り上げられる中、障害者にはこんな大きな問題が起きていることを一般の人たちに知ってもらおうとするこの様子は、翌日4社の新聞の地方版に取り上げられ、切実な私達の声は少しでも広がっているのではないかと思います。



太田シンガポール航空搭乗拒否裁判レポートA
「僕は当たり前の権利を勝ち取るために、トイレの写真も撮っちゃいました!」

 前回は裁判が始まるまでの出来事を書きまして、多くのみなさんから「裁判は、うまくいっているの?」という声をよく聞くようになり、ちゃんと注目してくれていることを感謝の思いでいっぱいです。ありがとうございます。

 まだ大げさな動きや判決に関してはまだまだ先にならないと、見えてこないのがじれったい裁判の現状でもありますが地道には答弁書に対しての反論文を事件の当日にいた廉田団・佐藤さん・太田の3人がそれぞれに読んで感じたことを書き、それを弁護士さんに送り、答弁書の引用文を付けながら、独特の用語でこちらの反論を表現して書かれた「準備書面」というものに弁護士さんが仕上げ、裁判所へ提出する作業を行っています。その中には、介助者が居ない時でもトイレへ行っていることを証明するために、自宅でのトイレへ行く動作を写真に撮ったり、またトイレの見取り図を作成したりなど、「何でここまでしなければ、一人で搭乗する当たり前の権利が勝ち取れないんだ!」と、SQ航空に搭乗拒否を受けたあの時の怒りが、沸々甦ってきました。それがまた活力となり4月29日から始まったゴールデン期間中、神戸・大丸前で声を張り上げつつ、当日応援に来てくれた仲間たちと一緒に裁判費用の募金4回で、合計189,136円にもなりました。本当に仲間の力に感謝すると共に、世間の人たちがはやりこの問題に対して「これはアカンで〜!」と協賛し、目をとめてくれたことは最大の喜びでした。

 今後もこの募金活動は続けていきますので、募金の当日で都合の良いみなさんはぜひともご参加下さり、ビラまきや呼びかけなどを一緒にして下さい。こういったイベントは人数の勝負でもあり、10人以上来て下さった5月5日は4時間で、92,000円を記録しましたので、ぜひともご協力のほど、よろしくお願いいたします。近日の募金日程と場所は、以下の通りです。

 最後に、05年4月21日の午後1時15分〜第2回公判「シンガポール航空賠償請求事件」裁判のが開かれた内容を報告いたします。
 原告は、準備書面と自宅のトイレで自分で便器に座っている動作の模様を撮った写真を添付して、提出。被告は準備書面を受け取り、それに対しての返答及び機内の製図を5月末までに裁判所へ提出することを約束しました。後は次回の公判日を決め、第3回目の公判日は、05年6月30日、午後1時15分〜と決まりました。こちらの傍聴にも、来て下さい。「神戸地方裁判所尼崎支部」(尼崎市水堂3-2-34 立花駅北徒歩10分 阪急武庫之荘南東徒歩15分)



どこでも行くぞ!電動車イス!手動車イス!

 初夏の爽やかな良き日、電動車イスの太田・曲、手動車イスの畑の3人とそのアテンダントで最近、今津に新しくオープンしたホームセンター「コーナン」に行ってきました。場所的には、国道43号線から車で2分ぐらい南に下がった所にあり、最寄り駅は阪神・久寿川駅で、徒歩圏に住んでいない限りアクセス的にはとても不便な所にあると感じました。でも店内は新しくオープンしたお店だけあって、身体障害者専用の駐車場はもちろん、車椅子が3台ほど入れるスペース(3台も一緒に入ることって、この通信の取材だけかも!)がある身障者用のトイレやスロープ状になってるエスカレーター、エレベーターなどが整備されていてかなりバリアフリー化がなされていました。

 少し、店内を案内すると、建物は3階立てで1階部分は、コーナンでホームセンターならではの日常大工用具、ガーデニング用品や日常生活用品・子供のおもちゃなどが売っていました。コーナンの1階部分は、「何かどこにあるのか」、「どこに売っているのか」分からないほどとても広く、また商品の陳列棚と陳列棚との間のスペースも他のスーパーとかと比較して、比較的ゆったりめにスペースが取られていたので、電動車椅子でも周囲の人たちの目を気兼ねすることなく、ゆっくりショッピングを楽しむことができます。

 2階のフロアには、100均、上新電気、アメリカのスポーツ専門店があり、100均は、他の上新電気やコーナンよりの店舗面積が狭く、しかし車イスでも余裕の店内も通路スペースには、商品が入れられたダンボール箱が積まれていて、店内に電動車椅子で入るのが精一杯でした。

 今回、視察したコーナン今津店のように、最近新しくできたお店やハートビル法の基準を充たした映画館やショッピングモールでも、その中に入ってる専門店などは、店舗規模が狭い店ほど、どうしても車椅子がゆとりもって入れるスペースが確保出来なかったり、店内の入口とかに段差があったりして、すべてのショッピングセンターやその中に、入っている専門店が完全にバリアフリー化される日は、まだまだ遠い未来のことだと思いました。

(あとがき)今回、初めて「どこ電」の取材、原稿を書かされたマガリンです。その日は突然でした。何がなんだか分からないまま、コーナンに連れてこられ、気が付くと畑さん、太田さんという、ものすごい方と身障者用トイレで3ショットでした。しかもその写真は今回の通信では使われませんでした。なんということでしょうか。でも「どこ電」の取材は最高に楽しかったです。みなさんもご一緒にどうですか? 次回はどこに連れて行かれるのかしらん。(まがりん)



料理のことばがわかる本

 みなさん!料理ことばで、「あられ切り」「拍子木切り」「大名おろし」「塩をふってあおる」「ヒタヒタ」「こそげる」って知ってはりますか?
「介助スタッフの井上っす!」からいい本を紹介してもらいましたよ!井上さんは、僕はアテンダント先で利用者から「今日はこれ作って」と料理本を渡されるのですが、その料理本に出てくる料理ことばが難しくて悩むことが時々あるそうです。みなさんはこんな経験ないですか? 枝豆にゆでて塩をふって「あおる」? まあ、例が枝豆だから、みなさん解ると思いますが枝豆の入ったボウルを持ち上げて向こう側から手前に起こすように混ぜることで、のろのろ運転の車を後ろから睨んで「あおる」ではありません。塩をふった枝豆を睨んでも仕方ありませんよね!

 この『料理のことばがわかる本』には、料理のことばはもちろん、さまざまな調理器具や、だしの種類や取り方、調味料、揚げ物油の温度の目安、正確な大さじ一杯の量など、すごく分かりやすく紹介されていますよ。料理家の神田川先生の「料理は心や!」もええけど、その前にこの本やね!

 ただ、ここまで紹介しといてなんやけど、この本、事務所には置いてまへんねんな!ごめんなさい。興味ある方は、書店へお願います。「NHKきょうの料理・料理のことばがわかる本」税込み930円ほどで手に入ります。



つぼみの「まっきー」A
自立生活の花が咲き、あとは恋の花を咲かすのみ!

 自立生活を始めてもうすぐ4年ですが、改めて自立生活をして良かったな、楽しいなって思う時があります。その一つが「旅行」です。前回でも話しましたが、僕はカトレアという施設に19歳〜41歳までの22年間いました。その施設でも年に1度、国内旅行がありました。でも親・兄弟が一緒でないと参加出来なかったり、介助が親・兄弟なので行動に制限があったりしたので、今の旅行の楽しさは知りませんでした。

 普段、その辺や大阪、神戸をゆっくり散策するのが大好きな僕も旅行という旅行はとりたててどこへも行っていないのですが、メインストリームの仲間と行く海外旅行は本当に楽しいものがありました。今まで台湾、タイ、ベトナムへ行っちゃいましたがベトナム最高でしゅわ。

 ベトナムのホーチミンの空港に着いたとたん、ええ汗出てきましたよ。アジアの洗礼なんかな。ベトナムはオートバイがスゴイ!街中バイクだらけ!なにやら、ベトナムのカップルの間では、夜、公園の周りを二人乗り(バイクに)で何周もグルグル廻ることが流行ってるんだって。僕も電動で廻りたかったよ!あ〜あ、手動で来ちゃったよ。って思ってたら「プッシュ〜!」不幸にもその手動車イスのタイヤがパンク! アテの井上さんとタイヤの修理屋を探して歩き回っていると、「シクロ」の兄ちゃんに出会いました。(シクロとは自転車の前に人を乗せる台がある。自転車タクシー)シクロの兄ちゃんの話によると、タイヤを直す店を紹介し車イスを修理してる間に、いろいろシクロで観光に行こうとのこと。完全に商売やなとわかってはいましたが背に腹は変えられません。座りにくいところを様々に工夫しその乗り物の利用となりました。乗りにくかったシクロも乗ってしまえば、あまりの気持ちよさに映画のタイタニックさながら思わず両手を広げていました。1時間ほどののシクロの旅でしたが僕には最高の時間でした。そして約束どうり車椅子が直りシクロを降りたときの運転手の笑顔が今でも思い出されます。いまごろ彼はどうしてるんかなぁ。これも偶然の賜物です。旅行の醍醐味はこれよ!と思ってたら、今度は一緒にベトナムに行った女性陣がアオザイを作っていたのにはびっくり! みんなよく似合っていて、セクシーで…。

 まどろむように終わってしまった僕のベトナム旅行でしたが、「太田シンガポール航空搭乗拒否裁判」とかぶりますが、改めて「いつでも、誰でも、どこへでも、好きな所へ行っていい筈。行ける筈。自分の中のそういう力、周りの力を信じられる世の中であるべきだ」と思います。今回も恋の花は咲きませんでしたが、次はどこへ行こうかな。つづく。(まきい)



編集後記
 今回の通信の中でも紹介しましたが、自立支援法案への審議に当事者の声を反映さそうと僕たちも全国一斉行動を神戸で行いましたが、でも本当に当事者の声を反映させないといけないのは、一般の人たちへだと僕は思います。東京へデモに何度か参加した感想は「やっぱり障害者だけやん」でした。この問題は障害者だけの問題ではないはずです。自分が、子供が、恋人が障害を持ったとき、人が人らしく生きていける社会を作っておくべきだと思いますが、みなさんはどう思いますか。(なかちん)